ベランダ越しに花束を


そもそもあまり外に出ていないから、注意力が薄れているのだなと思ったその時、急に光琉の、あの落ち着く声がすぐ耳元でした。

「危なっ」

あれ?なんで、こんな近くで聞こえるの?

「大丈夫か?」

また光琉の声が耳に響く。

肩に触れたのは、光琉の手だということに気がついた。

私は3秒くらい固まり、そして全てを理解した。

光琉が、車に轢かれそうだった私を助けてくれて、それで今、ハグしているみたいに見えてしまうことに。

私はばっと光琉から離れた。

でもまた、

「危ないって」

と、光琉が、離れた私の手をとって、光琉の方に引っ張られた。