「舞花こそ。なんで出てんの」
私はどきりとした。
確かに、私も人のこと言えない。
私は彼から視線を外し、空に目を向けて言った。
何も悟られないように。
「別に。ちょっと外の空気吸おうと思って」
そう言って彼に視線を戻すと、光琉は真剣な顔でこちらを見ていた。
私は首を傾げて聞く。
「…何?」
「そんな理由じゃないだろ」
さっきよりも低く、それでも私の耳にしっかりと届いた声だった。
私は、え、と呟いたつもりだったが、声にもなっていなかった。
光琉は続ける。
「なんかもっと重いことだろ。覚悟決めた、みたいな顔してたぞ」
私は喉に言葉を詰まらせた。
そう。私は自殺をしようとしていたのだ。
どこに居ても息苦しくて、この世界から消えようとしていた。
私はこの世界に必要じゃない。ちっぽけで情けないくせに意地っ張りの面倒くさい人だ。
