ベランダ越しに花束を

ぼっと顔の温度が上がる。

私は、干していた手を止めていたことに気づき、慌てて洗濯を干す。

「図星?」

光琉がニヤニヤとした顔をしてこちらを見る。

「うるさいなぁ、違うってば」

私は洗濯干しを早く終わらせて、中に入ろうとする。

「待って待って」

光琉が慌てて呼び止めた。

「なに」

私は自分の恥ずかしさを追い払おうと、少しキツく聞く。

「いや、暇だからさ。話したくって」

光琉は頬をぽりぽりかきながら、どこか恥ずかしそうに言った。

「あぁ、分かった。ちょっと洗濯カゴ置いてくる」