ベランダ越しに花束を



「いつものことでしょ」

「確かに。でも偉いよ」

光琉は今日も優しく笑って言った。

光琉はなぜ、そんなことを平気で言えるのだろう。

私は顔が熱いのを無視し、冷たい服を干す。

ちらりと光琉を見ると、柵にもたれかかりながら、心地よさそうに風に吹かれていた。

私も光琉と同じように、空を見上げた。

雲ひとつない薄青の空。

ふわっと優しい風が吹き、花の香りが漂う。

とても、気持ちがいい。