ベランダ越しに花束を


いじめはこれだけではなかった。

昼休憩、私は素早く弁当を食べ終え、トイレに行った。

廊下に出ると、みんなが私一点に視線をぶつけた。

ブスブスと矢が背中に刺さっているような感覚で、呼吸が荒いまま、私は早足でトイレへ向かった。

トイレには、鏡を見る女子で溢れていた。

私は顔を伏せて、誰かわからないようにしながらそこを通り過ぎる。

トイレの個室に入り、ふぅーっと息を吐いた。

すると、上からなにかふわふわと、白い何かが落ちてきた。

手に取ると、トイレットペーパーの紙切れだった。