ベランダ越しに花束を



真彩さんは続ける。

「舞花ちゃんがこの花屋に来た頃は、俺はもう亡くなってる。俺が死んだら舞花ちゃんはきっと悲しむから、サプライズしたいって言い出してね」

真彩さんは眉を下げて微笑んだ。

光琉が、あの時そんなことを言っていたなんて。

まだ私が、光琉に余命があるなんて知らないときだ。

手を繋いで登ったあの坂。満点の星空。

あの頃の映像が蘇ってきて、泣きそうになった。

でも、同時に心が暖かくなった。

すると、お姉さんは微笑んだまま口を開く。