ベランダ越しに花束を

「相談ならのるからさ、言ってみな。悩みとかあるなら。そしたら気が楽になるかもよ?」

私は胸に冷たい何かが当たったように、ヒヤリとした。
光琉は真剣な眼差しで見つめてくる。

言えない、言えないに決まってる。

だから、何も無いように思わせるために、何か話さなきゃ。
そう思っているのに、口が上手く開かない。

光琉は私から目を離さずに続ける。

「言ってもいいんだぜ。聞いてるのは俺しかいないし」

私は、ただ光琉を見つめることしかできない。
光琉はさらに真剣に言う。

「言えよ。言わねーとずっと1人で抱え込むことになるんだぞ」

息が浅くなり、呼吸がしずらい。
洗濯を干す手が止まる。

でも、光琉なら。君なら真剣に聞いてくれるかもしれないという、つい最近会ったばかりの人なのに、私の口は勝手に喋り出した。