ベランダ越しに花束を

いつもより早く終わる洗濯干しが虚しい。

部屋に戻り、ソファにドサッと座り込んだ。

起きているけど、寝ているような感覚だ。

これは夢なんじゃないか。

頬をつねってみる。

ピリッと痛みが走った。

「はぁ」

私は重いため息をついた。




私はそれからというもの、現実という幻を見ているような感覚に陥っていた。

朝起きる度、これは夢なんじゃないかと何度も頬をつねくる。

洗濯を干しにベランダに出る度、いつも隣のベランダを確認する。

でも、そこには光琉居なくて、あの優しい花の匂いが鼻をくすぐるだけだった。

私の心は、まるでポッカリと穴が空いてしまったようだった。