ベランダ越しに花束を

私は洗濯機をまわし、嫌な予感がしながらベランダに出た。

少し期待した。

隣に光琉が居ると。

でも、やはり居なかった。

私は洗濯を干し始めた。

そうだ。これが普通の生活だったじゃないか。

誰とも話さない、誰とも会わない。

これが普通の毎日だった。

光琉と出会う前の生活だった。

なんの色もない、モノクロの毎日だった。

私は、こんな毎日を、過ごしていたんだ。

これを耐えていたんだ。

こんな辛い日々を過ごしていたんだ。

自分で自分を哀れんだ。