ベランダ越しに花束を

絶対に、あちらから私は見えない。そう分かっているのに。
でも、色々なことを考えてしまう。
私の家をなんで見たんだろうとか。本当は私が見ていたのが分かったのかもしれないとか。

そんなことを、考えたくもないことを、勝手に妄想してしまう。

「舞花?大丈夫?」

彼の声で我に返った。

「何か、顔色悪いよ」

光琉は顔を覗き込みながら言う。

「ほんと?寝不足かなぁ」

私は作り笑いを浮かべて嘘を言う。
私の嘘が下手だったのか、光琉は急に真剣な顔をして話し出した。