ベランダ越しに花束を



『ありがとう舞花。さようなら』


『光琉…待ってよ…』


俯いて泣きたかった。


でもそんな時間はない。


私は最後の力を振り絞って、笑顔で言った。


光琉が、いつか好きと言ってくれた、あの笑顔で。


『またね、光琉。今までありがとう』


光琉は目をグッと大きく見開け、優しく微笑んで言った。


『またな』


風で花びらが一斉に舞い上がり、花々に囲まれながら、光琉は消えてしまった。


私はそこにしゃがみこみ、壮大で色とりどりの花畑に1人取り残された。