ベランダ越しに花束を



その夜、夢を見た。


辺り一面色鮮やかな花畑だった。


そこに光琉がいた。


辺りを見回しながら、優雅に歩いていた。


私は思わず呼び止めた。


でも、光琉は振り向きもせず足を止めない。


私は何度も名前を連呼した。


光琉、光琉、光琉⎯⎯⎯⎯!!


でもやっぱり、光琉は歩き続ける。


だめだ、行っちゃだめだ。


私は走り出した。名前を呼びながら。


光琉は気づく様子もなく歩き続ける。


私は涙を流しながら走った。


足を踏みしめる度、花びらが舞い散る。


優しく風が吹き、髪が乱れた。