ベランダ越しに花束を

「…ありがとう」

「うん」

気づけば涙はすっかり止まっていて、どん底に落ちた気分だったのが、まるで宙に浮いたかのようにふわっと軽くなった気がした。

「ありがとう」

私はもう一回言った。

「うん、何回言うの」

光琉は笑いながら言った。

私はふふっと笑った。

私はやっぱり、光琉が好きだ。

1人の言葉で、こんなに気持ちが、世界が、変わるなんて。

それは私には新しくて、楽しくて、嬉しくて…

でも、好きなんて言える勇気はない。だから、せめてこれだけは言いたい。