ベランダ越しに花束を

ズキンと矢が胸に刺さったように痛い。

すると、ふと何かが右頬に当たった。

「そんな顔しないで、舞花」

光琉が、私の右頬に手を添えていたのだ。

彼の優しい温もりが、頬を通じて伝わる。

このまま、ふわっと消えてしまいそうな肌触りだった。

「舞花には、笑っててほしい」

光琉が優しく笑う。

あぁ、私はこの笑顔が本当に大好きだ。

ふわっと周りの花が同時に咲いたような笑顔。

私を何度も助けてくれた笑顔。

この笑顔を、頭に、胸に、焼き付けた。

しばらくして、私はふっと笑ってみせた。

「うん。俺、舞花の笑顔好きだな」

光琉がふいに呟いた。

そして、しまった、とでも言うような顔つきになった。