ベランダ越しに花束を

次の日。

私はまた今日も早めにベランダに出た。

洗濯と水やりを終え、しばらく下の街を見つめていると、隣から声が聞こえた。

「今日も先越されたー」

光琉が頬を膨らませて言う。

それがおかしくて、思わずふふっと笑いが漏れる。

と、私はあることを思い出し、「ちょっと待ってて」と言い残して、あるものを取りに部屋に入った。

ベランダに戻り、取ってきたものを光琉に差し出した。

「え、コーンスープ?」

「うん。覚えてる?会ったばっかのときにさ、光琉がくれたでしょ」

「あー、確かそうだったな」

「だから、そのお返し」

私はにこっと光琉に微笑んだ。

光琉も「ありがと」と言い笑った。

あの時と同じように、プシュッと良い音を発しながら缶の蓋が開く。