ベランダ越しに花束を

光琉の顔は、今まで見たことないような、不安げな表情だった。

「光琉…」

私は、何も言えることがない。

だって、自ら命を絶とうとしていたのだから。

私から、「頑張って生きて」とか「大丈夫」とか、そんな無責任なこと言ったらダメだ。

光琉から見れば、お前が言うな、って感じだ。

私は光琉の顔をじっと見つめることしかできなかった。

すると、光琉は腕に顔を埋めた。

どうしたんだろう、と思った時私は察した。

光琉から、うぅ、と嗚咽が漏れる声がした。

泣いてるんだ。

光琉は、いつでも元気で明るく優しい、というイメージだったが、泣くなんて意外なことだった。

私は光琉の手の甲をぎゅっと握った。