ベランダ越しに花束を


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やや寒い風が、髪の毛を揺らす。

「はぁ…俺何してんだよ」

1人ベランダに残った俺は、手すりにもたれかかり、腕に顔を埋めた。

時間は限られているというのに、何で上手く口にできないのだろうか。

舞花の顔を見ると、どうしても上手く喋れない。

「はぁ…」

もう一度、俺は重いため息をつく。

好き、という2文字を言うだけじゃないか。

何がそんなに難しい、と自分を叱る。

時間は今も過ぎていく一方なんだぞ。

この気持ちを、舞花に伝えないと。

そうしないと、俺はあの世で後悔する。