ベランダ越しに花束を

そんな事を思っていると、光琉が心配そうに聞いてきた。

「どうした?顔がひん曲がってるけど」

「えっ」

「すげー険しい顔してた」

無意識にそんな顔になってるとは思っていなかったので、恥ずかしさのあまり顔が熱くなる。

「なんか、考え事?」

光琉は小首を傾げて聞く。

「んー、まぁ、ちょっとね」

私が曖昧に返す。
それに気がついたのか、光琉は心配げな顔をする。
私は何か尋ねられる前に、違う話題を振ろうと頭を高速回転させた。

「光琉、花育ててるんだね」

光琉と会う前から、隣に住む人は花をたくさん育てているな、と思っていた。

「あ、あぁこれ?」

光琉はしゃがんで、近くにあった植木鉢を取ってきてくれた。

それは紫色の、綺麗な花だった。

「綺麗だね」