ベランダ越しに花束を

「光琉?どうしたの?」

私は光琉の方に身を乗り出しながら聞く。

「いいや、何でもない」

光琉は完全に私とは真逆の方向に顔を向けてしまった。

と思ったら、急に私に真っ直ぐ向き直った。

「何」

光琉にまじまじと見られて、ぶっきらぼうに尋ねる。

光琉の口が開くのが、スローモーションみたいに見えた。

ゴクリと生唾を飲み込む。

「…舞花。俺、舞花の…」

「うん…」

「……やっぱなんでもない」

光琉はそう言い、笑顔を見せた。

私も戸惑いながら笑みを見せる。

…なんだったんだろう?