ベランダ越しに花束を

たまに、外から楽しげな学生たちの声がするといつも思う。

がんじゃなかったら、今頃楽学校に──・・・

毎日自分を責め続けた。

数日経ったある日の夜、ベランダに出た。

今日の夜は今年一冷え込むとニュースであった。

来年もこの時期まで生きているのか分からないから、冬の寒さを味わうのも悪くないと思った。

ベランダの窓を開けた瞬間、ぶるっと身震いをした。
やっぱり寒い。そりゃそうか。

俺は部屋に入ろうと踵を返すと、隣の家の誰かがベランダにいた。

誰だ。こんな時間に。