ベランダ越しに花束を


なんとか声を出せた。
すると、光琉が「中入るの?」と聞いてきた。

「うん、そうだけど」

と私は答えると、光琉は「ちょっと待ってて」と言い、中に入り何かを取り出してきた。

「はい、これ」

そう言って差し出されたのは、缶のコーンスープだった。

「え」

急に差し出されたので思わず動揺してしまう。

「これ、わたしの?」

「他に誰がいるんだよ」

光琉は私の手にコーンスープをぐいぐい押し付けてきたので、貰うしかなかった。

「いいの?」

「おう」

光琉は二パッと笑った。

「ありがとう」

私もニコッと笑って、蓋を開けた。プシュッと良い音がした。

「いただきます」

口の中に入れた途端、ふわっとクリーミーな味わいが広がり、体全体がぽかぽかと暖かくなっていく。

「おいしい」

私がそう呟くと、

「買ってきたかいがあった」

と光琉は微笑み、「いただきます」と言って飲み始めた。