ベランダ越しに花束を

今日も洗濯と花に水やりをしにベランダに出る。

「おはよう」

光琉が寒さに震えながらもニコッと笑う。

「おはよ」

私は笑顔を顔に貼り付ける。

私はずっと考えていた。

それは、あの診断結果の紙のこと。

毎日光琉に会う度、聞こう聞こうと思っているのに、真実を知りたくない自分がいて、聞き出せない。

あの優しい光に包まれるような笑顔を見ると、口が動かなくなる。

そして、その後に発する言葉はいつも、「なんでもない」と、逃げるばかりだった。

でも今日こそは、何がなんでも聞き出す。

例えその答えが望んでいない結果だとしても、知ってるのと知らないのとでは、全然違う。

私は、光琉のことが知りたい。