ベランダ越しに花束を

光琉はごくりと喉を鳴らす。

「姉ちゃんはずっと前から、死ぬことを悟ってたんだって」

さっきまで笑顔だった光琉は、今は俯いていた。

「君を忘れないって、花に言葉を託して、死んだ」

私は声にならなかった。

光琉のお姉さんは、どれだけ苦しかったのだろう。

それを、まだ光琉が小さかったから、花で言葉を贈った。

「…ごめん、こんなこと聞かせて」