ベランダ越しに花束を

そう言うとお母さんは踵を返して、キッチンに向かおうとする。

言わなければ。

私がいじめられていたということを。

「お母さんっ」

私はお母さんを呼び止めた。

「何?」

お母さんは振り返って尋ねる。

私は生唾をごくんと飲み込んでから言った。

「私…。いじめ、られてたの」

私は途切れ途切れになりながら、何とか口にした。

お母さんは、その言葉が信じられないようで、目を見開いたまま。

私は続けた。

不登校の理由、いじめの内容、そして、光琉のこと。