夜とは大違いの、晴れ渡った冬らしい淡い青空。太陽の日はそんなに出てはいないが、私にとっては眩しい。
私はドサッと洗濯カゴを置き、服を1枚1枚取り出し、干し始める。
外から、学校に向かう学生の人たちがふざけながら登校する声が聞こえる。
何となく、その姿を眺めてしまう。
そして思う。
なんでアイツらは楽しく学校に行けて、なんで私は怯えながら生きていかなきゃいけないんだと。
昨日知り合ったばかりの光琉も今頃学校だろう。
そう思っていた。
光琉の声が聞こえるまでは。
「おー。頑張ってますねぇ」
一瞬、耳を疑った。
昨日聞いたばかりの、あの声だ。
バッと私は顔を上げた。
そこには、ニヤニヤ顔をしてこちらを覗く光琉がいた。
私は声も出ず、目を大きく開けて光琉を見つめた。
学校に行ってるんじゃないの?
光琉も、もしかしたら私と同じ、不登校なのかもしれない。
色々な言葉が、脳内をグルグルと駆け巡っていると光琉は口を開いた。
「なんで、学校行ってないのかって?」
光琉はまるで私の心を読んだかのように、片眉を上げて聞いてくる。
私は喉まできていた言葉をついに発した。
「…光琉も、不登校なの?」
そう言うと、光琉は「んー…」と少し考えてから答えた。
「まぁ、そんな感じかな」
光琉はニコッと笑いながら言った。
そうなんだ。光琉も不登校なんだ。
私みたいな境遇の人が近くにいたんだ。
心底安心して、そっと胸を撫で下ろした。
