ベランダ越しに花束を

この家も、光琉と同様、花の良い香りがする。
その落ち着く匂いで、怒りが沈んでいった。

と、途端に後悔の気持ちでいっぱいになった。


私は、なんてことをしてしまったのだろう。
お母さんに、酷いことを言ってしまった。
さっき私が言い放った言葉が脳から離れない。


『人を殴るなんて、有り得ない』


その自分で発した声が、頭でずっと再生されている。

不登校にしてくれ、と、嘘の理由で休ませてくれたくれた親に、何故感謝すらしていなかったのだろう。

後で、ちゃんと謝らないと。