リストランテ

一度はリストランテ百選で一位に輝いた事があるシェフ【かいせい】の下で…


長くはないにしても一年余りは同じ師匠の下で修業した中だったのだ。


『あの時のピエールはイタリー料理を極めようとするいち料理人だった。なのになぜ…』


たいせいはふとピエールがはなった一言を思い出す。

『たいせいさん、俺どうしても金持ちになりたいんですよ！そして昔俺を馬鹿にした奴らを見返してやりたい。そのためには自分はこの人生をかけると』


たいせいはローンに問いかける


『ピエールはもう料理をしてはないのか？』


『ピエールは料理なんてしませんよ！実際厨房を指揮っていたのは俺でした』


その言葉にたいせいはまだ驚く。


ローンはチーボにきてから料理なんてものは作った時がない。野菜の下処理などの仕込みはしているが、まかないすら作ってみろと言っても『まだ俺には早い』といい作った時はないのだ

『ローン、お前…！！』


『すみません。』


今までジビエで実際厨房を仕切っていたローンが今は料理を作らず自分の下で働いている。


その事にたいせいは頭にきていた。