目隠しの姫君

「……っ嫌だっ」


あたしは慎の腕から逃れようとしてもがく。


だけど


慎の力は強くて。


「離さねぇ」



どうして……


「なんで……っ！！なんでこんな事するのっ！？
たっ…田辺さんが…いるくせにっ……！

ひくっ……うー……」


痛い。

痛いよ………


「なんで今、田辺が出てくんだよ！！
勘違いすんじゃねぇ！！！」



「は……？？？」



何それ


「何……」


「よく聞け！！」