「・・すみません・・・それだけですわざわざ、ありがとうございます」 一宮の声は最初とは比べ物にならないくらい沈んでいた 俯いてそう言う一宮に声を掛けられない自分 何に腹を立てているのかさえわからないでいる 一宮に背を向けて歩きだしたとき、一宮がこっちを見ているのが直ぐにわかった あえて振り向かない それがお互いのためだと思ったんだ 一宮にとっても、 俺にとっても