そのあとのあたしは、


何も考えられなくて。


家の前に着いたのも気付かないくらいに。



……頭では理解できるのに


心が付いていかない。


結構


重症……かも。



「ただいま……」


あ…お兄ちゃん達の靴がある。

今日は遊びに来てるんだ。


…誠くんはいないけど。


だってデートだもんね。



どんな事にも、誠くんとの繋がりを考えてしまう。


こんなにあたしは誠くん中心だったんだなぁ…



誠くんの靴


いつも持ってるくたくたのバック


あたしが勝手に誠くん専用にしたカップ


少しでも似てる物を見ただけで


心が締め付けられる。



あたしなんか相手にされないってわかっていながらも


どこかで


まだ…

望みがあるんじゃないかって


期待してて。



そんな自分がたまらなく惨めで…


目頭が熱くなる。