「はい、どーぞ」

内心ドキドキだけど。

だって、初めて誠くんに手作りを食べてもらうんだもん。


「お、ウマイじゃん」

「本当!?やった♪」


誠くんは…?

「うん、ウマイよ」


………う。

やっぱ誠くんの笑顔に弱いなぁ…

鏡を見なくても、自分の顔が赤くなるのがわかる。


「じゃ、ごゆっくりっ」


あたしは急いで部屋を出る。


あ〜まだ駄目だぁ。

すぐ顔に出ちゃう。


誠くんの事を諦めたわけじゃないし、

まだ……好き。


今は…自分を磨く為?に我慢……してる。

そりゃ、誠くんを見ればドキドキするし、逢えないのは嫌だけど。



―――でも。

まだ……本当はちょっと怖いんだ。


あれから少し臆病になってしまったあたし。




………頑張らなきゃ。