今日はいい天気ーー!!
「フーーゥ」
今朝のレオの焼き立てパンは最高に美味しかったわよ〜〜。
美味しすぎてお代わりしちゃったわ。
さすがにお母様の視線が痛かったわね……。
けどそんなことを気にしている場合じゃないわっ!!
これが素の私よ!!
ーーアレクシス王子、とくとご覧あれ!!!!
エマにアレクシス王子を誰にも見つからないようにここまで連れて来るようお願いしたけど……大丈夫かしら?
お母様にバレたらまた怒られちゃう。
「エレノア様ーー、アレクシス王子を連れて参りました」
フフッ、こんな所に連れて来られて何がなんだか分からないご様子ねっ。
「ありがとう、エマ。もう下がっていいわ」
「あの…… エレノア様…… あまり遠くへは行かずにお早めにお帰り下さいね。ローズ様に見つかってしまうと叱られてしまいますので」
「はいはい、わかってますよ」
さーーぁ、今から素の私を知ってもらいます!!作戦二日目を開始するわよーー!!
「ここは厩舎のようですが…… 今日は庭園でお茶をご一緒する予定ではなかったのですか?」
「えぇ、その予定ではあったのですが、本日はとーーってもお天気がよろしいですし…… アレクシス王子と是非ご一緒に馬に乗り、城外へと赴こうかと思いまして!!」
ウフッ。
ビックリしているわね。
そうよねぇ、まさか馬に乗ってお付きもつけずに一緒に外へ出ようだなんて……とんでもない姫がいた者よねーー。
「……エレノア姫はお一人で馬にお乗りになれるのですか?」
「はい。小さな頃から乗馬は得意です!! お父様とお母様には危ないからと反対されていたのですが…… お兄様が乗馬されている姿を見ていたら私も乗りたくなってしまって…… 。どうしても乗馬をしたいとお願いして、それで乗れるようになりました」
こんなじゃじゃ馬な姫はどこを探せどいないと思うわ!!
さすがにドン引きよね。
「そうでしたか…… 城外は楽しそうですね。是非ご一緒したいです!!」
あらっ、、あっさりオーケーしてもらえたわ……
「では、アレクシス王子は私の愛馬ベルにお乗り下さい」
「亜麻色の毛並みが美しい馬ですね……」
「えぇ、そうなんです。ですがベルは大変じゃじゃ馬なのでお気をつけ下さいね」
「えっ、そうなのですか…… ?」
フフ……焦ってらっしゃる。
「冗談ですよ。ベルはとっても穏やかないい馬なのでご安心下さい」
私は今日はお兄様の愛馬ブルーノに乗って行くとしましょう。
いつも通り軽快にブルーノの背に乗る。
「アレクシス王子、こちらの裏門から出ましょう」
「わかりました。では参りましょうか」
手慣れたように華麗な身のこなしでアレクシス王子がベルに跨る。
なかなか乗馬姿……素敵じゃない!!
王子様って感じだわ……本物の王子様なんだけど……
もう変な事を考えてないで出発よーー!!
♡♡
「着きましたよ。アレクシス王子、ここが城下町です」
「ウェンスティール国は至る所に年中花々が咲き誇る美しい国だと母上が言ってましたが…… 自然に咲く花だけではなく、この城下町には花屋も沢山あるのですね」
「そうですね。ウェンスティール国の民はお花が大好きなのですよ。常日頃から花を買ったり贈ったりするのが習慣ですし。それに花を生け愛でることは勿論のこと、飲み物、ジャム、スイーツやボディークリーム、香水など他にもたーーくさん!! 花を使った物が商品化され今では民の暮らしになくてはならい一部ですね」
「…… 母上が喜びそうな話です」
「王妃殿下はお花がお好きなのですね」
「はい、とても。ウェンスティール国へ行くことを羨ましがられました。母上のその気持ちがこの国に来てすぐにわかりましたよ。本当にどこを見ても美しい花々と緑で私も癒されています」
「…… それは良かったです」
ーーウェンスティール国を隣国の王子に褒めてもらえるのは嬉しいわね。
他にもいーーぱい、ウェンスティール国にはまだまだ見所があるのですよ。
ベルとブルーノから降り、私とアレクシス王子は賑やかに華やぐ城下町を見て歩いた。
「さぁそれでは、本日ご案内したい場所の一つでもある、こちらのガラス細工のお店をご紹介したいと思います。ここのご主人とは仲良しなんですよ」
「これは大変趣がある店構えですね。私はガラス細工のお店に入るのは初めてです……」
「そうなのですね。私は一人で城を抜け出して、こちらのお店によく来るんです。お店のご主人ロイさんはとっても優しい方ですし…… 何よりロイさんの作るガラス細工はどれも本物の宝石のようにキレイなんですよ。それでは中へ入りましょう」
一人で馬に乗り頻繁に城を出るとんでもない姫だと思ってくれてるかしら……フフフッ。
「ロイさーーん、また来ちゃいましたーー!! 今日は私のお友達も一緒なんですよ」
店の扉を元気よく開け、大きな声でご挨拶すると、店主のロイさんが私達を迎えてくれた。
「いらっしゃい。お嬢ちゃん、来てくれて嬉しいよ。今日はお友達も一緒なのかい。いつも一人で来るのに」
「そうなんですよーー。今日は私のお友達にもロイさんのガラス細工を見てもらいたくって連れて来たんです」
「ゆっくり見ていくといいよ。お嬢ちゃんもお友達も」
「いつもありがとう。ロイさん」
いつ来ても穏やかで紳士的なロイさんと、ロイさんの作るガラス細工が大好き!!
「ガラス細工の店に入るのは初めてなので嬉しいです。ありがとうございます」
ロイさんに軽く頭を下げて、アレクシス王子が早速店内を見回す。
ーー興味津々のようね。
キョロキョロしているわ。
うわ〜〜それにしても……やっぱりどれもキレイ!!
宝石のように光り輝いてる。
細工も繊細で本当に素晴らしいわね。
アレクシス王子が見ているこの棚の商品は新作のようだわ。
「…… こちらの小さな鳥の置き物もガラスで出来ているのですよね?」
「そうですよ。ここに置いてある商品は全てガラスです。そちらが気に入られたのですか?」
「私には幼少の頃から飼っているスカイという名の鳥がいてるのですが…… よく似ているなと思いまして」
「そうですか。このガラス細工の鳥に似ているのでしたら……とても美しい鳥なのでしょう」
「はい。スカイは美しい鳥ですよ」
どれほど美しい鳥なのかしら……?
それはそうと……こちら側の棚にも先程のスカイ似の鳥と同じような手の平サイズの馬の置き物があるじゃない!!
とっても可愛いわねぇ。
なんだかベルに似てるような……素敵だわぁ。
いつまでだって見ていられる。
あっ、、いけない……時間が……もう出ないと!!
「ロイさん、今日は他にも寄る所があるのでこれでお邪魔します。近い内にまた来ますね」
「そうかい。またいつでもおいで」
「ありがとう。ロイさん」
身分は隠してるけど王室御用達にしたいくらいよ!!
「どれも素晴らしい品ばかりでした。拝見させていただき、ありがとうございました」
アレクシス王子もご満足そうね。
笑顔で手を振るロイさんに見送られながら、私達は店を出た。
そろそろ本格的に作戦を開始しないと。
のんびり観光案内してる場合じゃなかったわ!!
「フーーゥ」
今朝のレオの焼き立てパンは最高に美味しかったわよ〜〜。
美味しすぎてお代わりしちゃったわ。
さすがにお母様の視線が痛かったわね……。
けどそんなことを気にしている場合じゃないわっ!!
これが素の私よ!!
ーーアレクシス王子、とくとご覧あれ!!!!
エマにアレクシス王子を誰にも見つからないようにここまで連れて来るようお願いしたけど……大丈夫かしら?
お母様にバレたらまた怒られちゃう。
「エレノア様ーー、アレクシス王子を連れて参りました」
フフッ、こんな所に連れて来られて何がなんだか分からないご様子ねっ。
「ありがとう、エマ。もう下がっていいわ」
「あの…… エレノア様…… あまり遠くへは行かずにお早めにお帰り下さいね。ローズ様に見つかってしまうと叱られてしまいますので」
「はいはい、わかってますよ」
さーーぁ、今から素の私を知ってもらいます!!作戦二日目を開始するわよーー!!
「ここは厩舎のようですが…… 今日は庭園でお茶をご一緒する予定ではなかったのですか?」
「えぇ、その予定ではあったのですが、本日はとーーってもお天気がよろしいですし…… アレクシス王子と是非ご一緒に馬に乗り、城外へと赴こうかと思いまして!!」
ウフッ。
ビックリしているわね。
そうよねぇ、まさか馬に乗ってお付きもつけずに一緒に外へ出ようだなんて……とんでもない姫がいた者よねーー。
「……エレノア姫はお一人で馬にお乗りになれるのですか?」
「はい。小さな頃から乗馬は得意です!! お父様とお母様には危ないからと反対されていたのですが…… お兄様が乗馬されている姿を見ていたら私も乗りたくなってしまって…… 。どうしても乗馬をしたいとお願いして、それで乗れるようになりました」
こんなじゃじゃ馬な姫はどこを探せどいないと思うわ!!
さすがにドン引きよね。
「そうでしたか…… 城外は楽しそうですね。是非ご一緒したいです!!」
あらっ、、あっさりオーケーしてもらえたわ……
「では、アレクシス王子は私の愛馬ベルにお乗り下さい」
「亜麻色の毛並みが美しい馬ですね……」
「えぇ、そうなんです。ですがベルは大変じゃじゃ馬なのでお気をつけ下さいね」
「えっ、そうなのですか…… ?」
フフ……焦ってらっしゃる。
「冗談ですよ。ベルはとっても穏やかないい馬なのでご安心下さい」
私は今日はお兄様の愛馬ブルーノに乗って行くとしましょう。
いつも通り軽快にブルーノの背に乗る。
「アレクシス王子、こちらの裏門から出ましょう」
「わかりました。では参りましょうか」
手慣れたように華麗な身のこなしでアレクシス王子がベルに跨る。
なかなか乗馬姿……素敵じゃない!!
王子様って感じだわ……本物の王子様なんだけど……
もう変な事を考えてないで出発よーー!!
♡♡
「着きましたよ。アレクシス王子、ここが城下町です」
「ウェンスティール国は至る所に年中花々が咲き誇る美しい国だと母上が言ってましたが…… 自然に咲く花だけではなく、この城下町には花屋も沢山あるのですね」
「そうですね。ウェンスティール国の民はお花が大好きなのですよ。常日頃から花を買ったり贈ったりするのが習慣ですし。それに花を生け愛でることは勿論のこと、飲み物、ジャム、スイーツやボディークリーム、香水など他にもたーーくさん!! 花を使った物が商品化され今では民の暮らしになくてはならい一部ですね」
「…… 母上が喜びそうな話です」
「王妃殿下はお花がお好きなのですね」
「はい、とても。ウェンスティール国へ行くことを羨ましがられました。母上のその気持ちがこの国に来てすぐにわかりましたよ。本当にどこを見ても美しい花々と緑で私も癒されています」
「…… それは良かったです」
ーーウェンスティール国を隣国の王子に褒めてもらえるのは嬉しいわね。
他にもいーーぱい、ウェンスティール国にはまだまだ見所があるのですよ。
ベルとブルーノから降り、私とアレクシス王子は賑やかに華やぐ城下町を見て歩いた。
「さぁそれでは、本日ご案内したい場所の一つでもある、こちらのガラス細工のお店をご紹介したいと思います。ここのご主人とは仲良しなんですよ」
「これは大変趣がある店構えですね。私はガラス細工のお店に入るのは初めてです……」
「そうなのですね。私は一人で城を抜け出して、こちらのお店によく来るんです。お店のご主人ロイさんはとっても優しい方ですし…… 何よりロイさんの作るガラス細工はどれも本物の宝石のようにキレイなんですよ。それでは中へ入りましょう」
一人で馬に乗り頻繁に城を出るとんでもない姫だと思ってくれてるかしら……フフフッ。
「ロイさーーん、また来ちゃいましたーー!! 今日は私のお友達も一緒なんですよ」
店の扉を元気よく開け、大きな声でご挨拶すると、店主のロイさんが私達を迎えてくれた。
「いらっしゃい。お嬢ちゃん、来てくれて嬉しいよ。今日はお友達も一緒なのかい。いつも一人で来るのに」
「そうなんですよーー。今日は私のお友達にもロイさんのガラス細工を見てもらいたくって連れて来たんです」
「ゆっくり見ていくといいよ。お嬢ちゃんもお友達も」
「いつもありがとう。ロイさん」
いつ来ても穏やかで紳士的なロイさんと、ロイさんの作るガラス細工が大好き!!
「ガラス細工の店に入るのは初めてなので嬉しいです。ありがとうございます」
ロイさんに軽く頭を下げて、アレクシス王子が早速店内を見回す。
ーー興味津々のようね。
キョロキョロしているわ。
うわ〜〜それにしても……やっぱりどれもキレイ!!
宝石のように光り輝いてる。
細工も繊細で本当に素晴らしいわね。
アレクシス王子が見ているこの棚の商品は新作のようだわ。
「…… こちらの小さな鳥の置き物もガラスで出来ているのですよね?」
「そうですよ。ここに置いてある商品は全てガラスです。そちらが気に入られたのですか?」
「私には幼少の頃から飼っているスカイという名の鳥がいてるのですが…… よく似ているなと思いまして」
「そうですか。このガラス細工の鳥に似ているのでしたら……とても美しい鳥なのでしょう」
「はい。スカイは美しい鳥ですよ」
どれほど美しい鳥なのかしら……?
それはそうと……こちら側の棚にも先程のスカイ似の鳥と同じような手の平サイズの馬の置き物があるじゃない!!
とっても可愛いわねぇ。
なんだかベルに似てるような……素敵だわぁ。
いつまでだって見ていられる。
あっ、、いけない……時間が……もう出ないと!!
「ロイさん、今日は他にも寄る所があるのでこれでお邪魔します。近い内にまた来ますね」
「そうかい。またいつでもおいで」
「ありがとう。ロイさん」
身分は隠してるけど王室御用達にしたいくらいよ!!
「どれも素晴らしい品ばかりでした。拝見させていただき、ありがとうございました」
アレクシス王子もご満足そうね。
笑顔で手を振るロイさんに見送られながら、私達は店を出た。
そろそろ本格的に作戦を開始しないと。
のんびり観光案内してる場合じゃなかったわ!!

