男性不信のお姫様と女性不信の王子様はカボチャ姫を愛す

ーーカルテア国へと出立する日

「エレノア、準備は出来たか?」

「…… はい」

ドヨーーン。
どうしてこんなことになってるのかしら?
ずっと考えていたけど意味不明だわ。
アレクシス王子は確実に私に幻滅して帰ったはず。

「エレノアは何をそんなに沈んでいるんだ? 兄は妹と二人で旅行できて嬉しいぞっ」

なんて能天気な兄なのかしら?
旅行だなんて言っているわっ!!

「それでは父上、母上行って参ります」

「ハリー国王とキャロライン王妃に宜しく伝えてくれ。くれぐれも失礼のないように」

ーーそんなに心配ならお父様とお母様が行けばいいのに……。

「とくにエレノア!! お代わりなんてしてはいけませんよっ!!」

ギックッ、、
結構根に持つわね……お母様。

「大丈夫ですよ。お代わりするのは自国でだけですから!!」

「…… それも何か違うような気がしますが…… まぁいいでしょう。気をつけて行ってらっしゃい」

「はい、では行って参ります。お父様、お母様」

こうしてお兄様と従者のブラッド、そして私と侍女のエマはウェンスティール国を旅立った。

♡♡

私達を乗せた馬車がカルテア国王都へと到着した。

「おいおい、王都に来る道中も思ってはいたが…… カルテア国がこんなにも繁栄しているとはな。王都は特に街並みも女性も派手だな!! なぁ、ブラッド?」

「そうですね…… ここまで栄えているとは思いませんでしたよ。ですが女性は派手ではない方がよろしいですが……」

ブラッドが向かいに座るエマに視線を向ける。

「そうだな。ブラッドはエマのことが…… あっ、しまった…… エ、エマ元気かっ!?」

お兄様があたふたされているわ……?

「 ジョセフ様、目の前で元気にしておりますよ」

一体なんの話をしているのよ。
今の流れではまるでブラッドがエマを好きみたいじゃないの……

ーーえっ!?

もしかして……好きだったの!?
知らなかったわ……
この勘の鋭い私が……長年一緒にいるのに……。

ブラッドったら隠すのが上手なのね。
なんだかブラッドとエマが照れ合っているわ。
二人共顔を赤らめて……可愛いわね。

「すまんなっブラッド!! 口が滑ってしまった…… だがお前は隠すのが下手だろう。いつもエマを目で追って、好きがダダ漏れではないか。それにエマも満更でもないようだしな。さっさと付き合ってしまえばよいではないか」

えーーーーっ!!!!

隠すのが下手って……好きがダダ漏れって……私は全く気づきませんでしたが……

「エマ、私と付き合ってもらえませんか?」

へっ!?
ここで公開告白するのーー!!

「……はい、是非!!」

ワオッ!!
そしてオッケーなの!?
何この状況は……?

「おーーおーー。良かったではないかっ、二人共!! めでたい、めでたい!! ハッハハハーー」

なんとも行き当たりばったりなノリだこと……

こんな感じでいいのかしら?
何がなんだか分からないうちに異国の地でカップルが誕生してしまったわ。
おめでとう……ブラッド、エマ……でっいいのよね?
二人が笑顔だし幸せそうでなによりよ!!

それにしても……ほんとーーにウェンスティール国と正反対ね。
田舎と都会ってとこかしら?
なんか……どこを見ても派手ね……
お兄様と同じような感想しか思い浮かばないなんて……私としたことが恥ずかしいわ。
だけだ、田舎から都会へとやって来た私達の感想なんてこんなものよね。

「エレノア様……カルテア国はなんだか……とても……派手ですね!!」

「…… エマ…… そうね」

ーーここにも仲間がいたわ!!

私にはウェンスティール国の方が性に合っているわ。
カルテア国の王都に着いたばかりだけど……早くも帰りたい気分よ。

「おっ!! これはえらいことだぞっエレノア、見てはいけないものが見えてしまった……」

「どうしたのです?」

「し、城が…… 規格外の大きさだ…… そして派手だッ!!」

えっ……王城が見えたの……?

あわてて馬車の窓から顔を出す。

ドドーーーーーーン、、

「こ、こ、これは…… なんて大きなお城…… そして、そして…… 派手ですわね……」


こんなお城を見せられては尻込みしてしまうのですけど……