金平糖の白いまほう

 

 白い金平糖に願いをかけるように言った。


 緊張のせいか、目に映る世界の所々が白く見えた。


 「え、いいの?じゃあもらおうかな」


 そう言って清澤君が手を差し出す。



 え……!



 「本当に…?」


 本当に食べてくれるの?


 ダメ元で聞いたから、まさか食べたいと言ってくれるとは思わなかった。



 「?うん、俺甘いの好きだし、今お腹空いてるし。くれるなら欲しいー」



 清澤君は、笑顔で言う。


 ただ、お腹が空いてるから、食べたいって言っただけ。


 そんなことは分かってるけど、金平糖に願掛けしていた私にとっては、すごく嬉しくて少し泣きそうになった。



 「じゃ、じゃあ食べて、ぜひ」


 私は金平糖が入った瓶の蓋をキュッと音を立てながら回し、金平糖を一粒取り出して自分の口に運ぶ。



 一口噛んでみると、可愛らしい見た目からは想像できない固い食感に少し驚いた。


 そうだ、金平糖ってこんな食感だった。



 「あれ?くれないの?」



 「あ、ごめん、その…先に食べたくなっちゃって。あはは」


 私は誤魔化すための笑みを浮かべて、咄嗟に言い訳をする。


 急いで金平糖を一粒取り出す。


 可愛らしい見た目をした金平糖が、なんだか、丁寧に触らないと壊れてしまいそうな気がして、優しくつまんでそっと清澤君の手のひらに置いた。




 「ありがとー」



 そう言って清澤君は口の中に金平糖を投げ込み、ガリっといい音を立てる。