金平糖の白いまほう

  
 キラキラ…カラカラ…


 そんな音が聞こえてきそうなお菓子が入った瓶を眺めていた。


 このお菓子は一般的にはカラフルなものが多いけど、この瓶に入っているのは真っ白なものだけ。


 私は友達が言っていたことを思い出す。



 「この真っ白な金平糖、自分が食べた後に好きな人にも1粒食べてもらうと両想いになれるんだって!私持ってるんだけど、(ねがう)ちゃんいる?」



 このことを聞いてドキッとした。


 ある人の顔が思い浮かんだから。


 今も教室の中で友達と親しげに話している彼――「清澤(せいざわ)」君だ。



 「金平糖を食べただけで両想いになれる」なんて、そんなこと起こるわけないと思ったけど、結局友達からもらってしまった。


 …いきなり金平糖をあげたらおかしいよね…


 でも、意外と気にしないかも?


 教室の自席に座りながら、頭の中でぐるぐると考える。


 次の授業の道具を出さなきゃと思い、リュックからものを取り出している間も、ずっと机の上に金平糖を置いておく。


 …清澤君の方から金平糖を食べたいって言ってくれるかもしれない。


 そんな一縷(いちる)の望みをかけて。


 ……


 …いや、そんなこと起こるわけない。


 だってこんな風に思っているのはきっと私だけ。



 自分で考えておきながら悲しくなってしまい、もう金平糖を見たくなくなってきてリュックにしまおうとした。



 ――その時、