でも私は部活や勉強が
忙しいと言い、作るのを断った。
母はその度に少し寂しい顔を
していた。
私はそれに気付いていたけれど、
その時は何も思わなかった。
そんな事を繰り返していくうちに
母はおはぎを作るのを
止めてしまった。
私はどれだけの優しさを
無駄にしてきたのだろう…
どれだけの笑顔を… 時間を…
無駄にしてきたのだろう…
胸が締め付けれられるように
苦しかった…
「はい、出来上がりと。
紗英ちゃん、なかなか
上手じゃない」
「いえ… まだまだです…
もっと沢山やっておけば
良かった…」
「私より上手じゃない。
しかもまだ味見してないんだから。
食べてみましょう」
私は恐る恐るおはぎを手に取った。
祖母もおはぎを手に取った。
私たちは同時に口に運んだ。
「お、美味しい…」
私はつい声を出してしまった。
私は祖母を見た。
祖母は満面の笑みを浮かべながら
左手の人差し指と親指で
丸を作ってみせた。
「紗英ちゃん、本当に
美味しいわよ。
私のよりも美味しいわ」
「私… 自分で作ったのよね…
信じられない…」
「紗英ちゃんの
お母さんへの気持ちが
この味になったのよ。
お母さん、すごく喜ぶわよ」
目から涙が零れそうになった。
でも私は精一杯我慢した。
ここで零してしまったら、
きっと母の前で笑えなく
なってしまうと思った。
母を見る度に涙を流すのは
嫌だった…
祖母は私の気持ちに気付いたのか
何も言わず、私の頭を
優しく撫でてくれた…
忙しいと言い、作るのを断った。
母はその度に少し寂しい顔を
していた。
私はそれに気付いていたけれど、
その時は何も思わなかった。
そんな事を繰り返していくうちに
母はおはぎを作るのを
止めてしまった。
私はどれだけの優しさを
無駄にしてきたのだろう…
どれだけの笑顔を… 時間を…
無駄にしてきたのだろう…
胸が締め付けれられるように
苦しかった…
「はい、出来上がりと。
紗英ちゃん、なかなか
上手じゃない」
「いえ… まだまだです…
もっと沢山やっておけば
良かった…」
「私より上手じゃない。
しかもまだ味見してないんだから。
食べてみましょう」
私は恐る恐るおはぎを手に取った。
祖母もおはぎを手に取った。
私たちは同時に口に運んだ。
「お、美味しい…」
私はつい声を出してしまった。
私は祖母を見た。
祖母は満面の笑みを浮かべながら
左手の人差し指と親指で
丸を作ってみせた。
「紗英ちゃん、本当に
美味しいわよ。
私のよりも美味しいわ」
「私… 自分で作ったのよね…
信じられない…」
「紗英ちゃんの
お母さんへの気持ちが
この味になったのよ。
お母さん、すごく喜ぶわよ」
目から涙が零れそうになった。
でも私は精一杯我慢した。
ここで零してしまったら、
きっと母の前で笑えなく
なってしまうと思った。
母を見る度に涙を流すのは
嫌だった…
祖母は私の気持ちに気付いたのか
何も言わず、私の頭を
優しく撫でてくれた…


