そして帰り、「一緒に帰らない? 俺、友達いないから」と、大翔君に言われた。
「うん。喜んで」
これは私が初めての友達を名乗っていいのでは?
だって、隣の席になれたし、案内もしたし。
一緒に帰るんだし。
しかもこれ、ある意味デ、デートじゃない?
顔がにやけないようにしないと。
その帰り道、大翔君と色々なことについて話した。
好きな事、嫌いな事、今までの思い出話などなど。
それによると、大翔君はピーマンが嫌いらしかった。
……ピーマンが嫌い、なんかっぽすぎて、少し笑ってしまいそうになった。
目の前のピーマンにもがき苦しんでいる大翔君を想像したら、もう、可愛かった。
生でも見たいなと思う。
そんな機会が来てほしいのだけど。
大翔君の苦しむ顔、少しだけ見てみたいし。



