イケメン転校生に恋をした


「どうだった?」

 教室に戻った瞬間に、若菜ちゃんにそう訊かれた。

 ちらちら。周りを見る。
 近くに大翔君はいないよね。

「もうっ最高だった。幸せで死んじゃいそう」
「それは良かったね。てことは……上手く行ったってこと?」
「もちろん、連絡先まで交換しちゃった。はあ、これこのスマホもう家宝にしてもいいかも」
「花、あんたストカー気質あるからそこらへんでやめなさい」
「冗談に決まってるじゃん!!」

 もちろん私は彼の嫌がることなんてしないし。
 ただ、家の住所は少し知りたいけれど。

「はあ、もう、幸せ」

 そして机に顔を伏せる。この幸せを噛みしめながら。
 今日から毎日がハッピーディだ。
 だって、教室に大翔君がいるんだもんっ!!