そして、授業が始まる。隣の大翔君を見ていると、きちんとノートを取っているみたいだった。ああ、その真剣な御尊顔を拝んでいるだけで幸せだあ。
そして昼休みに彼が、「ごめん、ここの食堂ってどこかな」と訊いてきた。
絶好の会話チャンス来た! むしろ私からどこか教えてあげるって言いたいくらいだよ。
「えっとね、ここから別の建物に移るんだけど……説明が難しいから一緒に行かない? 私も行こうとしてたとこだし」
「え? いいの。ありがとう。……じゃあ、お願いするわ」
ありがとういただいちゃった!! むしろ私がありがとうって言いたいよ。だって、こういうのデートみたいじゃん!
そして案内しながら、体育館や、講堂が見えたから、その各々の場所の説明をする。
そのたびに大翔君は「そうなのか」とか、「ここで、体育が……」とか、色々と言ってくる。
そのたびに、会話が出来ているみたいな気持ちになってうれしくなった。もうこれは私の中でデートとみなしてもいいよね。
そして食堂に着くと、「何がおすすめのメニューなの?」と訊かれた。
「ここは、から揚げが人気メニューだと思う。私もそれ選ぶつもりだし」
「じゃあ、俺もから揚げにしよっかな」
どうしよう。私、大翔君のメニュー決めちゃったよ。しかも席も向かいに座ってくれたし。
もう、私死んでもいいかも。
いやだめだ、死んだらもうおしゃべりができないじゃん!



