「み、雅くん!」 さっきまでカウンターにいたけど仕事が落ち着いたのか、時々こうしてキッチンに入ってくる。 雅くんは私がつまんでいる半分だけのクッキーをそのままパクリと頬張った。 「あ、それ甘いやつだよ?」 「……」 雅くんは私の言葉に特に反応もせず、もぐもぐと口を動かしている。 「どう、美味しいでしょ?」 「……不味くはない」 いつもと同じやりとり。