少しして、及川くんが唇を離す。 「ふっ。やっぱ面白れー顔」 頬に触れる手が、少しだけくすぐったい。 「そ、それは及川くんが急にキスするからで…っ!」 恥ずかしさで真っ赤になる私にまたキスを落とす及川くん。 さっきよりも深くて、長いキスだった。 「…もう泣かせない。ずっと大切にする。だから、俺のそばにいろよ」 こんな時くらい、もっと素直に言ってくれればいいのに。 及川くんの耳が、真っ赤になっている。