「あの…ありがとう」 及川くんが振り返ったけど、私は顔を見れなくて目線を落とした。 「……行くぞ」 「えっ、ちょっと待っ!」 及川くんは私に傘を持たせて、自分は雨に濡れながら私の腕を引いて足早に歩き出す。 「あの、傘!」 「……」 ただひたすらに歩き続ける。