無事にパンをゲットした私は、教室に戻ろうとして、見慣れた後ろ姿を見つけた。 「及川くん!」 及川くんの足が止まる。 「……」 何も反応することなく、振り返った。 「あ、あの及川くん、今日」 「……お前さ」 「……え」 突き放すような、低くて冷たい声だった。