南校舎へ続く廊下を歩いていると、後ろから手首を掴まれた。 「…おい」 「…っ!」 聞きたいけど、聞きたくなかった声。 心臓のドキドキが腕をつたって及川くんに届いちゃいそうで。 私は恥ずかしさと複雑な心境で、どうしても振り返れなかった。 「最近俺のこと避けてんだろ」 ぎゅっと手首を握る手に、力が入る。