それから、石田さんたちのグループは明確に私をターゲットにして悪口を言い始めた。
体育のバスケでパスやシュートを失敗するたびに執拗に非難され、授業中に発言すれば「頭いいアピールとかうざっ」と陰口が飛んでくる。
石田さんのグループ以外の女子や男子は、良くも悪くも見て見ぬふりだ。
石田さんたちに加担することも止めることもなく、ただ傍観者を決め込んでいる。
当然だ、わたしだってきっと当事者じゃなかったらそうしている。
誰だって面倒ごとに巻き込まれたくない。その気持ちはよくわかったから。
だからこそ、そんな中でもそばにいてくれた佐那の存在には救われた。
…けど。
「篠宮さんとまだ一緒にいるなんて、変わり者だよね」
「まあ類は友を呼ぶっていうし?あの子も性格悪いんじゃない」
悪口の矛先は、次第に佐那にも向けられるようになっていって。私は自然と佐那と距離を置くようになった。
合唱祭の練習は、本当に地獄だった。
特に全体練習が始まってからのクラスの雰囲気は最悪。
少しでも伴奏でミスをすれば大げさにため息をつかれ、また悪口が飛んでくる。
かといってミスをしなくても、わたしの演奏が気に入らないからか悪口はやまなかった。
「あんな独りよがりな演奏じゃ、合わせられるわけないじゃんね、指揮者がかわいそうだよ」
「なんか自分の演奏に酔ってるよね、ほんとイラつくわー」
わざと聞こえる声で言われる悪口。
それだけならまだよかったけど、石田さんたちは真面目に練習さえしてくれなくなった。
石田さんのグループはソプラノパートに集中していたから合唱全体のバランスまで崩れていって。ほかの子たちもやる気がない。
そんな最悪の雰囲気のまま迎えた本番。

