君が嘘に消えてしまう前に



「というかさぁ、今まで黙ってたけど前々からハナについてたんだよね。いっつもすました顔でいい子ぶってさぁ。自分が周りよりちょっと頭いいからって、あたしたちのこと見下してんのイラつくんだよ!」


「ね、私はあなたたちとは違います、みたいな雰囲気いっつも出してるし」


「頭いいことしか取り柄がないのに、調子乗ってるよね」



次々に向けられる攻撃的な言葉の数々に頭が追いつかなかった。

まさか自分がそんなに疎まれているだなんて知らなかった。



頭がいい事しか取り柄がない、って言葉がひどく胸に刺さる。

唇が震えるだけで、言葉が出てこない。


否定しなきゃ、誤解を解かなきゃと思うけど、今何か言い返したら余計に火に油を注ぐのも分かってて。

結局何も言うことができずにいるうちに朝のホームルーム開始を告げるチャイムが鳴った。


担任の先生が教室に入ってきて、自然とクラスメートたちが自席へと戻っていく。



「合唱祭なんて、失敗しちゃえばいいのに」



去り際に、憎悪のこもった石田さんの低い声が耳元でした。