力を入れて田島先生を一気に引き離すと、
フフッと不適な笑みを浮かべ、

「見られちゃった。」
窓の方を見て言った。

ハッとして見ると、驚いて立ち尽くす矢萩がいた。
目が合うと、今にも泣きそうな顔をして走り去って行ってしまった。


矢萩の泣きそうな顔が脳裏に焼き付いていた。
心臓がバクバクと音をたて、今までにない怒りに顔がカァーッと熱くなるのを感じた。