驚いたように辺りをキョロキョロ見回していたので、事情を説明し、

「寮の管理人さんに話さないといけないから、送っていくから…
三年だよね?名前は?」

学年は、制服の胸の校章の色で分かった。

「一組の矢萩凛(ヤハギリン)…です。」

俯いたままオドオドしていたので

「どうした?まだどっか痛む?」

顔を覗き込むようにすると、更に顔を下にしながら

「…眼鏡…どこですか?」

消え入りそうな声で言った。