健は、口に啣えていた煙草を思わずポロリと落とした。

これが恋?
頭を金づちで殴られたかのような衝撃を受けた。

タクが分かって、自分に分からなかったのもショックだが、それよりも二十四になるまでこんな想いをしたことがない自分にショックを受けていた。

タクの言葉が頭の中で木霊し、同時に絡まってた糸が一気に解けていくような気がした。

健は矢萩に恋をした。