机の前の椅子に座ると、直ぐにコーヒーを一口飲んで

「で、何があったの?」

興味津々の眼差しで健を見つめた。

違う意味で健は三度目の溜め息をついた。


足を組んで椅子に腰を下ろした健は、タクの熱い視線を感じながら、コーヒーを啜ると、

「お前は俺と同じ種類の人間のような気がするから聞いても分かんないと思うんだけどな…」

タクは怪訝な表情を浮かべていたが、そのまま続けた。

「お前は、特定の人に対して、胸がザワザワしたり、痛くなったり、何かイライラ、モヤモヤしたことあるか?」

真面目な顔で聞くと、コーヒーを口にしていたタクは、突然それを吹き出したかと思ったら、笑い出した。